学生時代の家庭教師の思い出

大学時代、私は自宅生だったこともあり、生活費はかからなかったので アルバイトをするのは すべて 自分のお小遣いにするためだった。
学生時代にしたアルバイトは、映画会社での編集の手伝い、中央省庁での雑用係、家庭教師などである。
その中でも、家庭教師は 大学1年から4年まで、同じ家庭に通ってお世話になった。
その家庭以外も、数件掛け持ちをしていた時期もある。
しかし、なんと言ってもある1件の家庭での家庭教師が大変思い出深い。


その家庭教師先は、私の中学時代からの仲の良い友達であるKから紹介された。
Kのイトコの中1の女の子の家庭教師をしないかと Kから話をもらったのは 大学1年になったばかりのころである。
当時私の家は目黒、学校は杉並、そして家庭教師先は 板橋区だった。
同じ23区内とはいえ、家からも学校からもあまりに離れているので、最初は不安だったが、いろいろなルートを探すうち、学校からはバスに1時間以上乗っていけば 少ない乗り換えで行けることがわかって 引き受けることにした。


生徒の名前はゆみちゃんといった。
私立の女子中学の1年生で、几帳面で 心配性な 素直で可愛い子だった。
英数国、ときには理社まで見た。
彼女の小学生の弟もなんとなく見るようになり、彼の場合は 体育以外の全てを教えた。
ふたりとも良く私になついて、休みの日には一緒に映画に行ったりもした。
私が大学を卒業後、音信は途絶えたが、Kに聞いた話では、ゆみちゃんは今では双子の子の母になったという。
弟は甲子園を目指して野球に打ち込み、その後大工になったとか。
今でも二人を懐かしく思い出すことがある。